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9 シーフリード『がんを餓死させる ケトン食の威力』

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  • 2024年7月2日
  • 読了時間: 15分

Thomas N. Seyfried

Cancer as a Metabolic Disease

On the Origin, Management, and Prevention of Cancer

John Wiley & Sons Inc.

2012

日本語全訳の要約版 作成 旦 祐介 2024年6月30日



第九章 遺伝子、呼吸、ウイルス、そしてがん


がんは遺伝子由来か

 がんはエネルギー代謝の病であるとするワーブルク理論の証拠が圧倒的であるにもかかわらず、今日がんとは、変異と染色体異常による遺伝子の病と見られている。患者一人ひとりのがんに合わせたオーダーメイドのパーソナライズされた分子的治療法が、将来のがん治療の方向性と見られている。この治療戦略は、がんが遺伝子的病気であるという幅広く支持された見解から発生した。しかしがんは本当に遺伝子病なのか。

 もしがんが生じた結果、遺伝子と染色体の欠損が発生しているとしたらどうか。分子標的治療について新しい成功はほとんど成果がない。これは、失敗したビジネスにさらに金をつぎ込む構図であり、集団心理が合理的な意思決定を妨げている。がん業界は、分子治療法のムダを認めないだろう。

 多くの研究者は、今だに、ワーブルク効果とがん細胞のエネルギー(代謝)の欠陥がゲノム的不安定さの結果であると見なしている。しかし異常なエネルギー代謝の結果、がん細胞の染色体異常と体細胞遺伝子変化が生じる。がんの起源について、どうして間違った遺伝子説がワーブルクのエネルギー代謝説を凌ぐようになったのか。

 第一に、がん細胞が正常に呼吸しているように見えたので、オクス·フォス呼吸は損傷していないと見られてしまった。エネルギー代謝障害に基づくがん理論ができていないので、他のがん仮説の方が信憑性が高いと考えられるようになった。

 ウイルスの分子レベルメカニズムが解明されると、ウイルスが発がん遺伝子を活発化させ、がんを防ぐ遺伝子を阻害することにより、がんを引き起こすと認識されるようになった。がん研究分野では、こうした遺伝子に注意が払われるようになった。

 がん発生遺伝子の発見で、がんはまず何よりも遺伝子に起源を持つ病気であるする考えが定着した。今やがんの遺伝子的起源という考え方は、医学会のドグマになっている。がんの代謝を研究する人たちでさえ、がん細胞の遺伝子欠陥が代謝異常を推進していると考えるようになっている。


遺伝子説の問題点

 がんにゲノム的不安定さがあるからと言って、がんが遺伝子的病気であるとは限らない。がん細胞の遺伝子欠陥は、呼吸機能が損傷した結果である。こうした遺伝子の変化は、非酸化的エネルギー代謝(発酵)を増強するために不可欠である。言い換えると、がんに見られる遺伝子的損傷は、呼吸が損傷した結果、発酵でエネルギーを得ようとして発生した現象である。呼吸の損傷に続いて細胞ががん化しなければ、その細胞は死ぬ。がん促進遺伝子は、長引く続く呼吸不全において、細胞の生存を維持するために必要である。がん化して発酵でエネルギーを得られるようにならないと、その細胞は死ぬことになる。

 呼吸が損傷したあと、がん遺伝子ががんを発生させている。

 

がんの遺伝子的起源

 がんの遺伝子起源説(シーフリード氏が批判している仮説)は、ボベリが一九一四年にがんとは染色体の区別の欠陥から生じるとしたのが起源である。ボベリは、がん細胞の染色体が過多や損傷という形(異数性)で不安定なので、がんが遺伝子内の突然変異によって生じると考えた。

 ウルリッヒ·ウォルフによれば、ボベリはがん細胞の染色体の実験はしなかった。もちろん、がん細胞にゲノム的欠損が多数存在するのは確かである。問題はゲノム的欠損が原因かどうかという点である。

  

遺伝子的起源の矛盾

 がんが突然変異で発生するという説にはいくつも矛盾がある。一部の研究者はIDH1という遺伝子ががんを促進するがん遺伝子であると主張したが、別の研究者たちはそれががんを阻害する遺伝子であると言った。染色体の数が変わる異数性の役割にも問題があって、がん遺伝子の変異は、がんがない人にも見つかっている。がん遺伝子が突然変異するだけでは白血病にならないのである。がんの遺伝子原因説に対する最も否定な証拠は、細胞核·細胞質の入れ替え実験である(後述)。

 逆に、遺伝子と染色体の欠陥は、がん細胞の呼吸不全を悪化させるし、異数性も呼吸機能を乱し、発酵に頼ってエネルギーを生産するようにする。これはワーブルク理論と一致する。呼吸不全が先に発生し、その後初めて、体細胞の突然変異と異数性が進む。大半のがん研究者が体細胞突然変異説を信じて疑わないからと言って、その学説が正しいとは限らない。

 がん研究分野は、あまりにも長いこと漂流し続けてきた。今こそ、全てのがん研究者が立ち止まって、彼らの見解の基礎を根本的に再検討すべき時である。遺伝子説はがんの起源を説明できない。もちろん、全てのがんでDNAと遺伝子と染色体に欠陥が生じるという圧倒的な証拠を争うつもりはない。しかし、遺伝子の欠陥が病気を発生させているわけではない。がん細胞のゲノム的欠陥は、直接間接に呼吸不全と関連している。

 

がんの起源としての呼吸不全

 がんを発生させるのは、ゲノム不安定か、呼吸不全か。これまでがん研究で、呼吸機能の喪失が先行し、悪性化と有酸素解糖系の発酵があとから発生することがわかっている(ワーブルク効果)。ワーブルク本人以外の研究者たちによる転移性の直腸、乳房、脳、腎臓及び胃など多くの人間のがんでこのことが確認されている。

 がんを発生させる研究により、がんの起源についていくつか重大な知見が得られた。第一に、どの人間のがん組織も正常な呼吸能力は示さなかった。第二に、化学物質またはウイルスを用いて動物組織に発がん性をもたらしたところ、呼吸が不調になった。発がん性の有機溶剤、ウイルス及びX線は、ミトコンドリアを損傷することが分かった。化学的発がん物質やウイルスは、ミトコンドリア損傷の後に、がん促進遺伝子を活性化する。また、ミトコンドリア活性酸素の生産が原因となって、がん細胞内の細胞核ゲノム不安定をもたらす。呼吸機能の喪失が「先」で、前がん増殖や発酵が「後」から発生した。こうした観察結果は、ワーブルクらが七〇年近く前に観察したことと似ている。まとめると、これらの結果はワーブルク理論を支持していて、呼吸不全が、有酸素解糖系発酵と突然変異と新生成を引き起こすことを示している。ミトコンドリアの損傷の結果がんが生じるとするデータは、強固すぎて無視することはできない。

 現在の遺伝子·染色体学説は、こうした観察結果を全く説明できない。呼吸への傷害の結果ゲノムが不安定になると実証されている。多くの実験結果により、ワーブルク効果とがん発生はミトコンドリアの損傷と呼吸不全から生じることがはっきりしている。つまり、がんはたくさんの異なる病気の集合体ではなく、単一の呼吸不全の病である。発生した部位によってがん細胞の形が異なるように見えるが、それらは全て、補完的発酵を伴う呼吸不全という共通の病気に冒されている。

 ワーブルク理論を支持する証拠がこれほどたくさんあるのに、過去五〇年以上の間、遺伝子の変異と染色体の異常が、ワーブルク効果と呼吸機能損傷を含む全てのがん発生と増殖の原因である、つまり、がんの結果、ミトコンドリアと呼吸の不全が生じている見なしている。しかし、がん細胞の遺伝子·染色体の欠陥は、悪性化する前にも悪性化した後にも見つかっている。私たちは最近、体細胞突然変異と異数性がミトコンドリア損傷のあとに生じていることを確認した。細胞の呼吸不全ががん発生の前兆であることも説明したい。

 もし遺伝子の突然変異ががんの主因なら、この病気は病因が複雑で、管理と予防に複数の解決策が必要である。他方、もし、損傷したエネルギー代謝ががんの主因なら、がんはある種のエネルギー代謝病であり、単純な解決法で対処できる。


生殖系の変異、呼吸損傷、そしてがん

 生殖系の変異とがんについては何が言えるか。遺伝的な代謝エラーは、ミトコンドリア機能を低下させたりがんを発生させたりしない。ただし、いくつか例外はあって、生殖系遺伝子の稀な変異ががんリスクを高めることはある。

 例えば、内分泌系のがんは遺伝的な変異に関わる。これらの変異はミトコンドリアのエネルギー代謝を損傷し、解糖系発酵の増大とワーブルク効果につながる。親から受け継いだ欠損が、ワーブルク仮説の直接の証拠であることは明らかになっている。これらのケースに関して、がんを発生させるのに十分な呼吸損傷は、これらの遺伝子の遺伝した変異から生じると言える。つまり、遺伝子の後天的損傷が呼吸損傷をもたらすのではなく、遺伝した遺伝子変異が原因となって呼吸損傷が生じることがある。

 

がん抑制遺伝子の遺伝した変異と呼吸損傷

 がんを抑制する遺伝子p53の変異は、乳がん、悪性軟部腫瘍、脳腫瘍、骨肉腫、白血病、そして副腎皮質がんのリスクを高める。最近の実験成果では、p53がミトコンドリア·エネルギー代謝にも直接影響していることがわかってきた。ゲノムが安定するにはオクス·フォス呼吸が安定している必要があるが、抑制遺伝子p53が変異すると、ミトコンドリアのオクス·フォス呼吸の混乱を通じてがんが発生しやすくなる。p53の保護機能は、十分なオクス·フォス活動に支えられている。この証拠はワーブルクの仮説を裏付ける。また、別のがん抑制遺伝子BRCA1とAPCの遺伝子の変異も、ミトコンドリア機能とオクス·フォス効率を変化させることによりがんを発生しやすくなる。また、がん抑制タンパク質RBの異常も、オクス·フォス呼吸の変化を通じて、網膜芽細胞腫を発生しやすくなる。皮膚がんや特殊な運動失調に遺伝子の変異が関わることがあるが、これもミトコンドリアの機能不全と関連する。要するに、ミトコンドリアの異常は遺伝した遺伝子の変異から生じ、がんのリスクを高める。これらの実例は、不十分な呼吸ががんの起源であるとするワーブルク仮説を強力にサポートするものである。


体細胞突然変異とがん

 大半のがんの遺伝子変異は、偶発的に体細胞で起きて、がんの増殖につながるが、ごく稀にしか起きない。これはがんの体細胞突然変異説の重大な欠点である。正常細胞で体細胞突然変異が稀にしか起きないなら、なぜがん細胞の体細胞突然変異がこれほど頻繁に起きるのか。

 がん抑制遺伝子p53の変異は、人間の全ての悪性腫瘍に見られるわけではない。これは他のゲノム保護役が関与していることを示す。p53の変異は例えば脳腫瘍(多形神経膠芽種)の約六〇%にしか見られない。特定の遺伝子変異が特定のがんに必ず見られるわけではないので、遺伝子変異はがん診断に使えない。がんに関わる突然変異の大半は、がんを起こす必要条件でも十分条件でもない。

 一部のがんでありふれた体細胞突然変異が起きるが、こうした変異がそのがんにある個々のがん細胞全てで見られるわけではない。悪性の脳腫瘍である神経膠腫は、特殊な遺伝子の変異のある患者においてなかなか増殖せず、彼らは遺伝子欠損のない患者より少し長生きする。この遺伝子の変異はミトコンドリアのアミノ酸発酵を阻害し、ブドウ糖·グルタミンの相乗効果を妨害しているのかもしれない。そうなら遺伝子を標的にするより、単にブドウ糖とグルタミンを断った方が簡単に治療効果が上がるだろう。がん管理に関心ある人たちにこの見解を知ってほしい。

 特定の変異を標的にしても、患者の生存に大きな影響はない。今でも遺伝子治療は成功していない。全米のがん研究所の幹部はこのことを知っているのだろうか。

 一〇年後にがん患者は自分のがんのゲノム分析を欲しがると予測する人がいるが、それが実現しても、がん治療のコストが高くなるだけで、年間がん死亡者数は変わらないだろう。がんが遺伝子の病であるとする考えを放棄し、突然変異ががんの原因ではなく結果であると理解されるまで、がんとの闘いは前進しないだろう。


がん遺伝子説を再訪する

 がんの遺伝子変異ががんの起源であるとは言えない。がん遺伝子起源説は、人間のがんの全ゲノムDNAを正常な細胞に入れるとがん細胞になったとする実験から始まった。しかしその実験の二四種類のがんのうち、二つの膀胱がんのDNAしか、正常細胞をがん細胞に変貌させることができなかった。この二つの変容はウイルス感染のせいかもしれなかった。

 ウイルス感染はミトコンドリアを損傷する。この実験では、変容した二つの細胞で発酵が増進し、呼吸不全があった。

 ワーブルクによれば、急性の呼吸損傷はがん化より細胞死を生じさせやすい。

 私たちの実験では、ネズミのがん化した遺伝子を持つ免疫細胞をネズミの脳に移植したが、がんはできなかった。この細胞は、低ブドウ糖·低グルタミンの高脂質媒体に移された時でも生き延び増殖できた。このことから、この細胞で呼吸は損傷していなかったことがわかる。(これに対して、神経膠芽種細胞は、同じ低ブドウ糖·低グルタミン、高ケトン培養基では生き延びられなかった。このがん細胞は呼吸が損傷していた。)つまり、がん遺伝子を細胞核に移植したのに、オクス·フォス機能は維持された。この細胞は解糖系の機能が表面的に損傷しているが、がん化しない。ミトコンドリアの損傷とそれに伴う呼吸不全ががんを形成するのであって、その逆ではない。

 有酸素解糖系、別名ワーブルク効果は、呼吸不全の結果生じた二次的影響であって原因ではない。おそらくこれが理由でワーブルクは、呼吸損傷の不安定な付随現象と見なした有酸素解糖系を重視しなかったのだろう。

 発酵が高まると細胞は老化をバイパスし、がん化しやすくなる。がんの形成が活性酸素を増やしミトコンドリアをさらに損傷することになる。つまり、呼吸不全が発生したあと、解糖系発酵が強まり、老化を予防し増殖が進み、がんが発生する。がんの医療関係者はきちんと聞いているだろうか。こうした情報を聞いてもまだがん遺伝子ががんの原因だと本当に考えているのだろうか。

 ミトコンドリアの不調が呼吸を弱め、がん遺伝子の変容が進む。もちろんがん化は、がん促進遺伝子が誘発するミトコンドリア機能の損傷から生じることもある。しかし、全てのがん遺伝子ががんを起こすわけではない。従って、重要なのはミトコンドリア呼吸を損傷したりがんを発生させたりすることなしに細胞を変容させるがん遺伝子と、がん生成につながるオクス·フォスを損傷させるがん遺伝子とを区別することである。この問題はまだ全然決着がついていない。

 ミトコンドリア呼吸が損傷すると細胞核ゲノムは不安定になる。効率の悪い呼吸ががん化の原因であることが周知されるまで、がん治療分野は前進しない。

 一種類のがんを発生させる単一の遺伝子変異はないが、正常な呼吸をしているがんもない。これは極めて重大なことである。今までのどの新学説も、我々ががんと呼ぶ一〇〇余りの病気をひとまとめに説明できていない。がんとは、発酵を伴う呼吸損傷の単一の病であると指摘したワーブルク理論を知らない研究者がとても多い。彼らは、全腫瘍に共通する最も明確な呼吸の損傷に注意を払わない。がんが単一のエネルギー代謝病であると言うと、この病気が無限に複雑なものであると思い込んでいる人たちを不安にさせてしまうのだろうか。

 

ミトコンドリアの変異とがんの有無

 ミトコンドリアの呼吸不全が全てのがんの起源なら、なぜミトコンドリア呼吸を損傷する遺伝子変異を受け継いだ人たちの間でがんが稀なのか。例えば、細胞の呼吸を邪魔する酵素の異常は筋萎縮性側索硬化症(ALS)につながるが、ALS患者はがんにならない。これらの炎症型疾患に特有なミトコンドリア損傷と発酵は、どういう役割があるのだろうか。

 ワーブルクが当初から触れていたように、死ぬ細胞は決してがん化しない。ミトコンドリアを損傷しがんを生じさせる遺伝子とそうでない遺伝子とがあるようで、まだ研究が必要である。 


ミトコンドリアのDNA変異

 ミトコンドリアDNA変異は、人間の脳腫瘍その他様々ながんを発生させる。それは細胞エネルギー代謝をも変えてしまう。

 がんと正常な脳組織を比べると、ミトコンドリアの遺伝子に違いはなかった。腫瘍内の遺伝子的変化も病的ではなかった。がんのエネルギー代謝と急速な増殖はミトコンドリアDNAの変異のせいではなかった。そして全てのがんについて、呼吸不全を示すワーブルク効果があった。つまり、病的な遺伝子変異が見つからなかったので、DNA変異ががん生成をもたらすと結論できなくなった。ミトコンドリアのDNA変異は、がんの起源にもエネルギー代謝異常にも関わらないが、もしミトコンドリアが呼吸不全になればがんを引き起こすことははっきり確認されている。


ウイルス感染とがんの起源

 人間のがんの一五%はがんウイルスが引き起こしている。ウイルスによるミトコンドリアの変化はエネルギー代謝を混乱させ、がん抑制遺伝子とがん促進遺伝子に影響する。ミトコンドリアがウイルスで混乱させられると多くの細胞が死ぬが、発酵できる感染細胞は生き延び、がんになる。ウイルスと発がん性との関連は、細胞核ゲノムへの影響ではなく、呼吸損傷に見られる。ウイルス腫瘍学の研究者には、この点で私(シーフリード氏)が間違っていることを証明してほしい。ウイルスは細胞融合も強め、ゲノムの不安定につながるミトコンドリアを破壊する。


HIVとがんのリスク

 HIV(エイズ)感染者はがんになりやすい。HIV感染者のがんリスクの説明としては、感染が免疫システムを弱め、身体の抵抗力を減少させるからとされている。

 炎症はオクス·フォス呼吸を破壊し、エネルギー代謝を発酵にシフトさせる。オクス·フォス不全はどの組織かに関わらずがんの起源である。

 ワーブルク理論のことも、それががんの起源に関する多くの観察結果を説明できることも、ほとんど知られてない。ウイルス感染や化学物質による発がん性が呼吸酵素活動とミトコンドリア機能を損なうことは確認されている。


サマリー

 がんが遺伝子の病であるとするデータには、重大な不整合がある。ゲノムの不安定がこの病の原因なのではない。多くの生殖系列のがんの変異は、オクス·フォス呼吸を損傷する。多くの発がん物質は、細胞核のゲノムの不安定をもたらすとともに細胞の呼吸も損傷する。がん遺伝子の活性化とがん抑制遺伝子の不活性化は、オクス·フォス呼吸が不十分な場合に発酵を推進するために不可欠な変化であるが、これは病の原因ではなく結果である。不十分な呼吸が先でゲノムの不安定さがそれに続いて発生することがわかる。一一章の細胞核·細胞組織の交換実験で、がん細胞の細胞核が正常細胞に移植されると正常な発達を遂げるが、正常な細胞核はがん細胞に移植されても正常な発達はできない。これは、がんが細胞核ゲノム内の損傷から生じるとする現在の仮説に反している。

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