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洗剤も乳化剤も界面活性剤 Detergents and emulsifiers are surfactants

  • 執筆者の写真: yd
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  • 2023年1月7日
  • 読了時間: 3分

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始めに

毎日、洗濯や皿洗いやシャンプーで使っている洗剤は、天然界面活性剤である固形石鹸や粉石鹸と、工場で化学的に作られた合成洗剤との2種類に分類されます。いずれも油分を水で洗い流して除去する物質で、界面活性剤と呼ばれます。


食品添加物として幅広く使われている乳化剤も界面活性剤で、合成のものと天然由来のものとがあります。界面活性作用のある物質のうち、洗濯や皿洗いに使うものを洗剤、料理やお菓子に使うものを乳化剤と総称しています。洗剤にも乳化剤にも天然のものと合成のものがあります。


洗剤も乳化剤も、界面活性剤としてとにかく極めて便利なのでこれほど普及しました。機能としては、本来混ざりにくい水と油を程よく混ぜ合わせる特徴があります。洗濯物や髪の毛の皮脂を洗い流すのも、肉の油でベタベタになった食器を綺麗にするのも、サラダドレッシングのオリーブオイルとワインビネガーを使いやすく混ざった状態にしておくのも、ショートケーキの泡立てた生クリームが分離しないように保持するのも、水と油の接する界面を活性化しておくことで可能になります。表面張力を減らして分離しないようにしています。


体内の細胞レベルでも、摂取した水と油を混ぜ合わせる必要があるので、大豆に含まれるレシチンなどの界面活性物質が常時大活躍しています。天然由来の界面活性剤は生命体になくてはならないものであり、食品から摂取しています。


人体への影響

他方、化学的に工場で合成された界面活性剤は、人体や環境に悪影響があります。まず人体に関して、界面活性剤は皮膚を保護している皮脂を除去してしまうので、防護機能が弱くなります。食品として摂取しすぎると腸壁と腸内細菌のバランスが壊れます。発ガン性を指摘されている界面活性剤もあります。


環境への影響

環境に対しては、バクテリアが分解するのに石鹸は1日程度かかるだけですが、合成洗剤はものによっては数十日かかります。環境負荷が高いと言えます。家で使えば下水となって環境に出ていきます。合成の乳化剤も同じです。さらに、合成界面活性剤の中には、何十年も分解せずに残るものがあります。体内でも環境中でも、簡単に分解されないまま存在し続けます。環境からそれを取り入れた魚や野菜を食べることで、人体に取り込まれます。


PFASの例

例として、有機フッ素化合物を挙げます。PFASは合成界面活性剤で、12,700種類以上あります。デュポンで発明されて以来70年以上、極めて幅広く使用されてきました。しかし21世紀に起きた米国での裁判を通じて、発ガン性など様々な健康被害が明確になってきました。代表的製造企業である3M社が、2025年までにすべてのPFASの製造を中止すると宣言しました(2022年12月発表)。PFASは生体蓄積性が高く、生体内で分量が半分に減少するのに4年から9年かかります。水道水やテフロンフライパンから毎日摂取するので、蓄積されたままいつまでも常時発ガン性物質に晒されていることになります。


コメント

合成界面活性剤はできるだけ使わないようにしています。水道水は活性炭フィルターを通して料理に使います、洗浄には、液体石鹸洗剤や炭酸ソーダ「せすき」やお湯を使っています。化粧品もPFASフリーと表示されているものを探します(あまり見つかっていません)。フロスはワックスの付いていないものにします。スーパーでは乳化剤の入っていない食品を選ぶようにしています。テフロンのフライパンは廃棄しました。





 
 
 

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