水道水のPFAS検査結果
- yd
- 2022年1月25日
- 読了時間: 3分
自宅の水道水の PFAS 汚染を調べてもらいました。
PFOA
PFOS
PFHxA
の3種類です。現在日本の厚生労働省の水質管理目標設定項目の暫定目標値としては、PFOAとPFOSの合算値で50pptが設定され、定量下限値は5pptとなっています(定量下限値とはそれ未満の値の測定はできていないし、測定しなくてよいという意味です)。
検査結果は画像をご覧ください。2行目、4行目、及び5行目の「検査結果」に注目してください。

実測値は、
PFOSが0.9ppt (ng/L)
PFOAが2.0ppt
PFHxAが2.4ppt
でした。PFOS+PFOA=2.9pptです。
この検査結果は、厚生労働省のPFOS+PFOA合算の暫定値50pptはクリアしています。東京都水道局の文京区の検査結果は常に定量下限値5ppt未満と表記されています。それらと齟齬はありません。
この最新の検査結果はひとつの安心材料ではありますが、私は別の印象も持ちました。
1 PFOSとPFOAについて、確かに水道局の定量下限値未満ではあるものの、現実にこれらが飲料水に溶出あるいは混入していることが示されました。公表されている水道局の年4回の定期検査では、定量下限値未満なので見えてこない事実です。
2 PFOS+PFOAがカリフォルニア州の予定基準を超過するレベルで検出されました。カリフォルニア州は現在、PFOS 1ppt、PFOA 0.007pptで規制する方針を打ち出しています。これは、かつてデュポン社や3M社が主張していたような水準よりはるかに微量で人間に健康被害がある、と科学的に示されたからです。文京区の水道水の今回の検査結果は、カリフォルニア州の予定規制値で見た場合、PFOSはぎりぎり合格、PFOAは約300倍の高濃度です。
3 文京区の水道水からPFHxAが検出されました。しかもPFOSとPFOAより高濃度でした。日本の水道水に関して、PFHxAは現在全く規制対象になっていません。測定さえされていません。私は、PFOSとPFOA以外のPFASの存在はほとんど報道されないが相当怪しいと思って、手始めにPFHxAを検査してもらいました。それがPFOSやPFOAよりも高い2.4pptというレベルで検出されました。予想が的中しました。規制対象外で野放しになっているPFASが水道水に混入しているのです。
4 さらに言えば、PFASは4730種類あります(Scientific American誌は「9000種類以上」と断定しています。https://www.scientificamerican.com/article/forever-chemicals-are-widespread-in-u-s-drinking-water/)。PFHxAはその1つにすぎません。PFOS, PFOA, PFHxAを除いた残りの4727種類はどれほど水道水に混入しているのでしょうか。PFASはすべて人工的に作られた炭素・フッ素の結合体で、ひとつひとつ検査するだけで膨大な手間です。また、すでに別のブログポストでご紹介したように、体内に取り込んだら除去方法はなく、半減期は最低4年、ごく微量で発がん性や乳牛の発狂など多数報告され続けています。空恐ろしい事態です。
5 PFASの除去については、米国では専門家による事業化、および活性炭浄化装置・逆浸透膜方式浄化装置などの販売・設置が盛んに進められています。速やかに別のブログ・ポストで、PFASの除去方法を考える予定です。
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