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世田谷区の水道水のPFAS

  • 執筆者の写真: yd
    yd
  • 2021年11月19日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年11月22日


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東京都水道局は、有機フッ素化合物検出状況のデータを年4回測定し公表しています。今回は都区部について7月から9月のデータを紹介します。


区部の給水栓水(蛇口)(全47個所)の水質検査結果で、PFOS/PFOA合計値が測定下限の5ppt以上検出されたのは、世田谷区2個所です。4月から6月には3個所で検出されていました。PFHxSは継続してどの個所でも検出されていません。

                PFOS+PFOA合計  PFHxS

世田谷区長沢浄水場・砧下浄水所 7ppt        検出されず

世田谷区砧下浄水所・朝霞浄水場 6ppt        検出されず


区部の浄水場(所)(全11個所)の水質検査結果では、2個所で検出されています。

                PFOS+PFOA合計  PFHxS

砧浄水場            原水23ppt 浄水12ppt 検出されず

砧下浄水所           原水28ppt 浄水22ppt 5ppt


このサイトでは、現在2021年度第2四半期までの最新情報がPDFで閲覧できます。


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1 世田谷区の蛇口2個所でPFASが検出されていることがわかります。第1四半期と比べて多少の増減があります。

2 PFOSとPFOAについては、2020年4月から「水質管理目標設定項目」に格上げされて、暫定目標値が設定されました。PFOSとPFOAの合計値で50ng/L (50ppt)です。この目標値は区部すべての検査個所でクリアしています。PFHxSは「要検討項目」に設定されていますが、目標値はありません。

3 他方、PFASはごく微量で健康被害を発生させる物質です。他の汚染物質が ppm (100万分の1)や ppb (10億分の1)で計測・表記されるのに対して、PFASはppt (1兆分の1)の単位で計測する必要があります。

4 東京都水道局で設定しているPFASの暫定目標値50ng/Lが適切なのかどうか引き続き検証が必要です。

5 同じく東京都水道局は、PFASの「定量下限値」は5ng/Lに設定していますが、この下限値が適切なのかも引き続き検証が必要です。定量下限値とは、検査機器の精度などの限界から、これ以下の値は信頼性が低いので表示しないという意味です。全く検出されないという意味ではありません。すでに別のページで書いたように、米国カリフォルニア州では1ng/Lの基準案が審査中です。現在5ng/L未満とされている個所でも、3ng/LなどのレベルでPFASが混入している可能性は否定できません。(カリフォルニア州の基準案については、2021年7月の報告書案がかなり成案に近いものを詳述しています。いずれご紹介したいと考えています。URL: https://oehha.ca.gov/sites/default/files/media/downloads/crnr/pfoapfosphgdraft061021.pdf

6 ネット検索すると、検査専門会社や研究所でPFASを0.1ng/L (0.1ppt)レベルで測定できると宣伝しているところがあります。今後水道水の水質管理に必要となる精度の技術と言えます。

7 幸いPFASは活性炭の浄水器などでかなり効果的に除去できるので、現在検出されていない地区の市民であっても、自ら健康管理を行うことが望ましいと感じます。

8 憶測に基づく主観的なことはあまり書くべきではありませんが、PFASが便利なあまり、20世紀後半にあらゆる分野で爆発的に使用されたことにより、私たちがガンなどさまざまな病気に苦しむことになったのではないかと考えています。多くの化学物質が人間の生きる環境を損なっていますが、PFASはノーマークではびこった強烈な「ウイルス」である疑いが限りなく強いと言えます。

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