ミネラルウォーターはPFAS検査していません Bottled water standards exclude PFAS
- yd
- 2022年5月5日
- 読了時間: 4分

少し前の話になりますが、2018年にミネラルウォーターの水質基準が改定されたので調べてみました。
要旨
殺菌・除菌したミネラルウォーターの水質基準から9項目が除外され、新たに20項目が追加され、カドミウムの基準は殺菌・除菌の有無を問わず、すべてのミネラルウォーターに関して厳しくなりました。フタル酸エステルとPFASについては基準は設定されていません。
主な改定変更点
・「飲用適の水」→「食品製造用水」という名称に変更しました
・ミネラルウォーターを新たに「殺菌・除菌無」と「殺菌・除菌有」に区分しました
・「殺菌・除菌有」の成分規格から鉄、カルシウム・マグネシウム、塩素イオン、蒸発残留物、陰イオン界面活性剤、フェノール類、pH値、有機物、有機リンを除外し、有機物等(全有機炭素)を設定しました
・すべてのミネラルウォーターに関して、硫化物に関する基準を除外しました
・清涼飲料水一般及び粉末清涼飲料の成分規格について、カドミウムは削除し、スズは缶入りのみ適用としました
評価できる点としては、多くの化学物質について新たにリストアップされ、基準値が設けられたことです。特に殺菌・除菌有のミネラルウォーターについて、四塩化炭素、1, 4-ジオキサン、シス-1, 2-ジクロロエチレン等、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン、塩素酸、臭素酸、ホルムアルデヒド、クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、総トリハロメタン、1, 2-ジクロロエタン、トルエン、亜塩素酸、ジクロロアセニトリル、残留塩素、味、臭気、色度、濁度の項目が新設されました。また、カドミウムについてすべてのミネラルウォーターに関して、基準値が厳しく改定されました (0.01mg/L→0.003mg/L)。これらは評価できる項目です。殺菌・除菌無しのミネラルウォーターについてはカドミウムを除いて変更はありませんでした。
疑問がある点としては、新たにわざわざ除外する項目があるのに、理由の説明が明確でありません。非イオン界面活性剤などについて、表の欄外に「性状関連項目であるため規定しない」と記載されています。それでは今まではどうして記載していたのか、どうして除外することになったか、説明がありませんでした。中でも特に、非イオン界面活性剤と硫化物が除外されていることに心配があります。
コメント
消費者は水道水より、安全でおいしい、あるいは健康によいと思って、単価の高いミネラルウォーターを飲用している。基準値が更新され特定物質に関して検査されたミネラルウォーターが流通することは高く評価します。
他方、水源の汚染が取り沙汰されている今日、「きれいそうな、安全そうな」森林・山奥の水源も安心できません。あらゆる物質を検査することは現実的でありませんが、健康被害が懸念されるものについて重点的にリストアップしてチェックする体制が必要です。
1 特にPFAS(有機フッ素化合物)について、微量でも発がん性などが疑われています。規格基準のすべての項目が1リッターあたり◯◯mg(ミリグラム)で基準値が示されているところ、PFASはその100万分の1にあたる○○ng(ナノグラム)単位ですでに厚労省の水道水基準が暫定的に定められています。ミネラルウォーターについても同様の設定が急務です。
2 参照した2018年の資料(参考資料の①)では、フタル酸エステル類への言及はありませんでした。フタレートphthalatesは近年、内分泌物撹乱物質としてPETボトルからも溶出することが確認されています。日本で流通するミネラルウォーターは92.1%にあたる380万キロリッターがPETボトルで販売されています(https://minekyo.net/publics/index/5/)。ガラス瓶は急減し2021年には1000キロリッター(0.1万キロリッター)でした。PETボトルの利用について、注意していく必要があります。
参考資料
①清涼飲料水等に係る規格基準の一部改正について
薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会
食品規格部会報告書
平成30年9月7日 2018年
②食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について
(清涼飲料水の規格基準の一部改正)2018年
検査基準項目に含まれていないフタル酸に関して、検査方法は明記されている
Abstract
In 2018, Japan's health ministry revised the regulatory framework of bottled water standards. 9 items have been deleted, for which there was no clear explanation, while 20 have been added for non-sterilized bottled water. Cadmium has a more stringent permissible level for all bottled water products. Neither phthalates, which are considered endocrine disruptors leaching from PET bottles, nor PFAS are listed. Not surprisingly, 92.1% of all bottled water products are sold in PET bottles, while bottled water in glass bottles has significantly declined in volume, i.e., 1156 kiloliters in 2021, comprising a mere 1/4000 (0.025%) of total production.





コメント