top of page

コカコーラPFAS裁判 Coca Cola PFAS lawsuit in USA

  • 執筆者の写真: yd
    yd
  • 2023年1月7日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年1月11日




ree

米国では2022年末にも、コカコーラ社を相手取ったPFAS(有機フッ素化合物)訴訟が新たに開始されました。米国法律事務所(CMBG3)のニューズレターに基づいて速報します。


概要

2022年12月28日、ニューヨーク州でコカコーラ社に対するPFAS集団訴訟の提訴があった。同社「シンプリートロピカル・ジュース」にPFASが入っていることを知らせなかった消費詐欺容疑である。訴状によれば、コカコーラ社は会社と「シンプリートロピカル」製品ラインが「すべて自然・天然」であり「すべて天然の原材料」で作られ、「純粋な濾過水」を使っているとうたっているので、消費者はPFASのような化学物質が除去されていると誤解する、しかし、検査の結果、PFASが検出されたので、虚偽表示である、PFASが混入している製品と知っていれば消費者は買わなかったはずだ、という訴えである。


原告は、州の消費者保護法と連邦法違反、製品保証違反、推定詐欺、不当利得で、ニューヨーク州の消費者から始めて、全米集団訴訟を目指して訴えている。


この2、3年、すでに多くの消費者が企業を訴えている。例えば化粧品メーカーではカバー・ガール、ロレアル、バーツ・ビーズ、食品ではバーガー・キング、マクドナルド、生理用品ではニックス・ウェアやティンクス (Thinx, Inc.) などが訴えられている(詳しくは参考文献1参照。リストはこのページ下方にも掲載)。


この法律事務所の予想では、これらの裁判は、マーケティングや広告や消費者保護の不当性に関するものだが、いずれ近いうちに、消費者が被った被害の補償を目指す訴訟や、環境汚染による資産価値の下落や浄化対策費の補償を求める裁判も出てくる。



この速報に関するコメント

日本では現在は沖縄や東京の米軍基地での泡消化剤汚染に注目が集まり、住民の血液検査が始まったばかりですが、日本にもPFASを製造・使用している企業は無数にあります。特にデュポン子会社の工場(静岡県)や深い提携関係にある会社(AGC、ダイキン)などの動向は注目すべきことです。また環境汚染の規制が弱いことも課題です。

一般市民としては、環境意識を高め、極力PFASを摂取しない努力をし続けることが大切です。特に乳幼児や児童・生徒が影響を強く受けます。汚染源はたくさんありますが、特に以下のものに注意することが大切です。どれからでも始めて、なるべく買わない、使わない、飲まない、食べないを実践してみてください。

1 水道水(活性炭フィルターを使う、特に飲食について)

2 テフロン加工製品(フライパン、クッキングシート、ピザ・ボックス、水で落ちにくい化粧品、シャンプー、防汚加工カーペット・ソファ、撥水加工衣服)

水道水は重大です。日本の厚生労働省の基準は、PFOA+PFOSの合算で50pptですが、米国環境保護庁は2022年6月に、

PFOA 0.004ppt

PFOS 0,02ppt

という健康勧告 (health advisories) を公表しています。この勧告基準は、現在の検査技術で測れるギリギリのレベルです。定期的に公表される日本の水道局の測定値を見ると、50pptを超えている箇所はありませんが、測定下限値は5pptとされていて、それ未満でどれくらい汚染されているのかは公表されていません。極端に言うと4pptは下限値未満ですが、米国環境保護庁の基準の1000倍汚染されていることになります。私の東京の自宅の水道水は、

PFOA 3.2ppt

PFOS 1.4ppg

でした(2022年1月検査、詳しくは参考文献2参照)。環境保護庁基準と比べて、桁違いに多いことがわかります。

以上驚かせることになったかもしれませんが、ごくごく微量でも発ガン性その他様々な健康被害の可能性が高い物質ですので、軽視しない方が良いと考えています。


以上




備考

  • Cosmetics industry:

    • Brown v. Cover Girl, New York (April 1, 2022)

    • Anderson v. Almay, New York (April 1, 2022)

    • Rebecca Vega v. L’Oreal, New Jersey (April 8, 2022)

    • Spindel v. Burt’s Bees, California (March 25, 2022)

    • Hicks and Vargas v. L’Oreal, New York (March 9, 2022)

    • Davenport v. L’Oreal, California (February 22, 2022)

  • Food packaging industry:

    • Richburg v. Conagra Brands, Illinois (May 6, 2022)

    • Ruiz v. Conagra Brands, Illinois (May 6, 2022)

    • Hamman v. Cava Group, California (April 27, 2022)

    • Azman Hussain v. Burger King, California (April 11, 2022)

    • Little v. NatureStar, California (April 8, 2022)

    • Larry Clark v. McDonald’s, Illinois (March 28, 2022)

  • Feminine hygiene products:

    • Gemma Rivera v. Knix Wear Inc., California (April 4, 2022)

    • Blenis v. Thinx, Inc., Massachusetts (June 18, 2021)

    • Destini Canan v. Thinx Inc., California (November 12, 2020)


参考文献







コメント


記事: Blog2_Post
bottom of page