PFAS(有機フッ素化合物)最新早わかり PFAS latest introduction
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- 2022年12月7日
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有機フッ素化合物(PFAS) in a nutshell


PFASとは何か
きわめて便利な界面活性剤として70年間使われてきた内分泌撹乱作用のある発がん物質である。多くの深刻な病気との関連性が強い。代表的な製品としてテフロンを製造するために使われてきた。12,700種類ある。数年前まで毒性は隠蔽されていた。生体蓄積性と難分解性が大きな弊害をもたらしている。
何に入っているか
PFASは市民生活に深く多面的に入り込んでいる。
水道水への混入、テフロンフライパン、ケーキ型、化粧品(口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、ハイライター、ファンデーション、シェービングクリーム、日焼け止めなどすべて)、シャンプー、リンス、歯磨き粉、フロス、食肉、ファーストフード包装容器、電子レンジポップコーン容器、ピザボックス、クッキングシート、使い捨て紙皿・紙コップ、ペットボトル、プラスチック製品、防汚加工絨毯、撥水レインコート、防汚家具、アイロン、防水スプレー、スキーワックス、メガネ曇り止め、スマホ画面コーティング、有機フッ素系農薬、フッ素化されたPE/PP(紙パック)
その他、工業生産に幅広く活用され、廃棄物として産廃施設や川に投棄されている。
避け方
やむを得ずプラスチック容器、紙パック容器入りの商品を購入する場合、その容器で高熱で調理した(する)製品は避ける、PEで表面加工してある紙パック牛乳は怪しいが、殺菌後封入なので熱の点では当面安心してよいかもしれない。購入後できるだけ早くガラス瓶などに移し替える、特に醤油やトマトソースなど酸性度の高い製品は気をつける。
テフロンフライパンは、少量の水を入れるなどできるだけ低温調理を心がける。また、剥離したら使わない。
掃除をこまめにする。特に乳幼児対策として室内大気中および絨毯・床面のPFAS汚染を最小限にするために。
防水スプレー、防汚製品はできるだけ使わない。
ファーストフードは使い捨て容器の汚染が心配である。
飲用・調理用の水は浄水器を使用する(逆浸透膜方式または粒状活性炭方式がよい、中空糸膜濾過方式は効果が確認されていない)。
化粧品は米国の調査で50%のものに多種含まれていることがわかっている。しかし日米欧でPFASの表示義務はないので、すべて疑ったほうがよい。なるべく少量を使用する、オーガニックをうたっているものを使用する。取れにくい、長持ちするなど持続性をうたっているものは特に怪しい。
弊害
発がん性全般(特に腎臓がん、精巣がん、前立腺がん、乳がん、肝がん、膵がん)、生殖毒性、乳腺発達遅延、低出産体重、甲状腺疾患、妊婦高血圧、コレステロール上昇、脂質異常、肝疾患、潰瘍性大腸炎、免疫力低下、COVID重症化リスク、ワクチン効果減少、喘息、脳神経発達遅延、先天異常、肥満、生殖器発育不全、精子数減少、性的成熟遅延、不妊増加、流産・死産、テストステロン減少、精子減少、リビドー減少、勃起不全(ED)
備考
1 米軍基地から遠い東京23区の水道水にも、PFOA、PFOS、PFHxSなどのPFASが混入している。濃度は米国環境保護庁やカリフォルニア州の暫定基準よりはるかに高い3ppt程度である(文京区、3種の合計値、2022年検査結果)。
2 PFASはごく微量でも影響があるので、規制基準の単位がその他の化学物質と比べて1/1000以下である。
3 ファーストフード利用者のPFAS血中濃度は高く、コロナに感染すると重症化するという研究結果が出ている。
4 テフロンフライパンは、260度で劣化が始まる。350度になると有毒ガスを発生する。油をしていても煙が出る温度は危険と考えるべきである。また通常の調理温度(160-200度)でも、食材や大気中にPFASが漏出しないという保証はない。
5 窒化ボロン(boron nitride)は特にPFOAを分解するという有望な実験結果があるが、活用される段階にはない。
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