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PFAS in river fish in the US 川魚のPFAS汚染

  • 執筆者の写真: yd
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  • 2023年1月18日
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ドイツ政府の報告書で川魚のPFAS汚染は確認されていますが、今回は米国の川魚の情報です。


参考文献1の記事は、参考文献2の『環境研究』掲載の研究論文に基づく概説です。米国市民環境団体の環境ワーキング・グループ(EWG)が実施した調査では、2013年から2015年までに採集された川や湖の淡水魚500検体のPFAS汚染度を調べたところ、PFASの中央値は9,500pptで、特に五大湖の中央値は11,800pptでした。この数値は、2019-2022年に米国食品医薬品局(FDA)が調査した商業的に販売されている魚より278倍も高かったということです。検出されたPFASのうち74%がPFOSでした。この平均的な魚を1匹食べると、PFOS濃度48pptの水道水を1か月飲むのに匹敵するPFOSを摂取することになります。



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有機フッ素化合物(PFAS)は、「人類が直面するおそらく21世紀最大の化学物質汚染」(英国リバプール・ジョン・ムアーズ大学パトリック・バーン教授)と言われています。長年テフロン・フライパンを始めあらゆる分野で重宝されてきましたが、発ガン性その他の病気を引き起こすことが知られ、2022年12月には3M社が2025年までに全てのPFASの製造を中止すると宣言しています。


記事において、比較対象の商業的に販売されている魚が海水魚なのか淡水魚なのかは明らかではありませんが、ドイツ政府の報告書では、海水魚より淡水魚の方が明らかに汚染されていました。


原著論文には、総PFAS濃度を検体別にプロットした図があるのですが、最高の濃度は100,000ppt(10万ppt)近いものがあり、驚愕すべき汚染度のものがあることが示されています。さらに別の表では、ベトナム、ノルウェー、カナダ、スペイン、ドイツ、韓国、イタリア、フィンランドの淡水魚のPFAS汚染調査結果が示されています。ベトナムが最も低く、最大2,600ppt(これで汚染度が低いと喜べるわけではありませんが)である一方、ノルウェー27万ppt、カナダ18万ppt、イタリア6万pptなど、桁違いにひどい汚染が広がっていることがわかります。


淡水魚1匹食べるだけで、人体の血中PFAS濃度が顕著に上昇する、という指摘は、立ち止まって考える必要があります。


ちなみに日本の水道水暫定基準はPFOA+PFOS合算値で50ppt、米国環境保護庁の新基準(確定中)は、PFOAで0.004ppt、PFOSで0.02pptです。



参考文献1


参考文献2

Environmental Research (2022). DOI: 10.1016/j.envres.2022.115165




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