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Microplastics and IBD

  • 執筆者の写真: yd
    yd
  • 2023年1月18日
  • 読了時間: 2分

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1年前の記事ですが、興味深いのでご紹介します。


科学・医学情報誌"Medicalxpress"の「IBD疾患の人は便にマイクロプラスチックが多い」という記事には、米国化学学会誌"Environmental Science & Technology"の記事が紹介されています。


IBDとは炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)のことで、クローン病 (Crohn’s disease) と潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis) を指します(過敏性腸症候群(IBS)とは異なります)。中国の各地でIBD患者の大便を検査したところ、マイクロプラスチック(MPs)が健常者の1.5倍検出されました。IBD患者のものは50マイクログラム未満のサイズのものがより多く、重症者はMPsが多く、PETボトルで水を飲みテイクアウト食品を多く摂取する人の方がMPsの量も多いことがわかりました。


ただし、MPsがIBSを引き起こすのか、IBD罹患の結果MPsが増えるのかはさらに調査する必要があるとのことです。


コメント

MPsは動物実験で腸の炎症や腸内細菌の変化を引き起こすことがわかっていますが、IBDとの関連性も疑われることになります。一般にMPsは体内に入り込まない、入り込んでも健康には影響しないと言われてきましたが、それは怪しいことがわかってきました。この研究でPETボトルに言及していますが、微小な破片を知らないうちに内に摂取していることが強く疑われます。また破片以外に液体への溶出も必ず発生しているでしょう。プラスチックスに囲まれた生活を見直す必要があります。


MPsに限りませんが、化学物質その他の現代の異物による健康被害は、人体実験ができず、因果関係の証明も容易ではありません。しかし、それまで無意識に摂取していたものを除去することでIBDなどの症状が軽減するなら、それは有力な証拠となります。


一つの例として、近々邦訳が刊行予定のエリン・ブロコビッチの本『スーパーマンは来ない』に、米国水道水の六価クロム汚染の話が掲載されています。その中に原因不明の皮膚病を発症した子供たちがシャワーをやめると数日で症状がなくなり、シャワーを再開すると症状がぶり返す話が載っています。この体験により、六価クロムが健康被害の主因だったことが立証されたわけです。MPsの影響はもっと長期に観察する必要があるでしょうが、それでも口から入るMPsがなくなれば、腸内のMPsも激減するでしょう。案外、腸症状が劇的に好転するということがあるかもしれません。


現代の難病は、だらしない食生活や個人の不摂生のせいではない、別に原因がある、と疑っています。


参考文献

https://medicalxpress.com/news/2021-12-people-ibd-microplastics-feces.html

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