Exposure by Rob Bilott to be published in Japanese デュポンと闘った弁護士の20年
- yd
- 2022年12月30日
- 読了時間: 2分


ビロット弁護士は、二十年以上にわたり、有機フッ素化合物(PFAS)の水道水汚染に関わり、デュポン社の隠蔽と闘ってきました。
1990年代末、ウェストバージニア州の農場主が家畜の異変に気付き、埋立地から漏れ出したPFASであることを突き止めました。次いで水道水汚染による工場周辺住民の集団訴訟で、6疾病との因果関係が明らかになり、デュポンには懲罰的賠償も課されました。
ビロット弁護士は、2016年のニューヨークタイムズ・マガジン新年号の表紙を飾ったあと、2019年には映画『ダーク・ウォーターズ』の主人公となり、同年、本書も刊行しました。現在彼は、全米市民を原告とする巨大集団訴訟を指揮しています。
PFAS問題は、日本にも深く関わっています。デュポンは海外ではオランダと日本に子会社があり、今でもPFASの製造を続けています。沖縄や東京の米軍基地周辺の水道水汚染は他人事ではありません。ごく微量で発ガン性や先天異常が発生します。東京の私の自宅の水道水も汚染されていました。
本書は、はらはらさせる裁判劇を中心とした人間模様を描くノンフィクションで、一般向けにわかりやすく書かれています。企業を擁護する立場だった弁護士が、原告住民側に回って企業の隠蔽工作を打ち破っていく姿は、とても共感を呼びます。これが現在進行中の実話であるところも信じられません。
本書の日本語版は、2023年春に刊行予定です。
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